2022年 年頭所感

新年あけましておめでとうございます。組合員の皆さま、賛助会員の皆さま、本年も宜しくお願い申し上げます。

さて、昨年の世界情勢は、一昨年から続く新型コロナ対応であるワクチン普及による防疫措置、各国の大規模な財政支出による経済活動の進展がありました。世界の実質 GDP は、国や地域によるばらつきがあるものの、米国・欧州では回復基調にあり中国・韓国・台湾では回復ペースの鈍化がみられ、全体で 4-6 月期に比べ 7-9 月期の回復ペースの減速がみられました。国内では、7-9 月期の実質 GDP は前年▲3%程度と2四半期ぶりのマイナス成長となり、半導体部品不足などの自動車生産などの下振れが影響した模様です。このように一進一退の回復を辿っているものと思われます。

本年の世界経済は、新型コロナ変異株へのリスクはあるものの重症化率や死亡者率の抑制が進めば、ロックダウンや緊急事態宣言などの大規模な防疫措置も段階的に縮小すると見込まれます。その結果、防疫と経済の両立が進み、内需中心の回復が進展するものと思われます。これらの背景のなか、供給制約の様々な要因解消や家計の消費の戻り、米国の利上げの適切なタイミングが期待されます。

また業界環境としての国内住宅需要は、一昨年の緊急事態宣言による受注へのマイナス影響に対し、昨年 1-10 月期の新設住宅着工数は 5.3%増加し回復しつつあります。

更に国内の合板需要も影響を受け、国内と輸入の全体量も住宅同様に増加しました。また、国産針葉樹合板の需要を中心に国内品シェアの優位に大きな変化はありません。ただし、ウ ッドショックの影響は、合板用原木調達において引き続き国内針葉樹合板生産の制約となっています。

このような環境のなか、日合商は合板をはじめとする建材需給の安定化や合法木材等の利用と普及・拡大の活動に取り組んでまいりました。また「COP26」以降は、SDGs や ESGへの社会や企業の取組みがさらに加速します。政府施策の合法木材等の利用促進・木造建築物の拡大等も一層進みます。これらの動向に歩調を合わせ、組合員の事業との関係が一層深まるよう取組みを進めます。さらにコロナ禍からの回復に向け「働き方改革」「ホワイト物流」にも積極的に対応を進め、組合員を中心とする勉強会・研修会等を通じて、日合商と会員の事業の基盤強化を目指して参りたいと考えております。

日合商の会勢の強化に関しましては、合法木材等の供給事業者の認定取得等のための入会による増加、一方事業撤退等による退会の結果、組合員数は756社(2021 年 9 月末日)となっています。引き続き、組合員・準会員・賛助会員の皆様のご協力を仰ぎ、1,000社を越える組合を目指して邁進していく所存です。

本年も、会員相互の「協調と連帯」のもと、適切な情報の収集と発信を通じ、組合員の皆様の事業の拡大・強化に貢献して参りたいと考えております。

会員の皆様と共にコロナ禍を乗り越え、業界の本格的な回復の年とすることを祈念して、年頭のご挨拶とさせて頂きます。

2022年1月5日

理事長 足立健一郎