2020年 年頭所感

新年あけましておめでとうございます。組合員の皆さま、賛助会員の皆さま、本年も宜しくお願い申し上げます。

また、昨年の台風やこれに伴う豪雨災害で被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げますとともに一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

さて、昨年の世界の経済情勢を顧みますと、これまで世界経済の安定した回復基調にも地域による成長のばらつきがはっきりとしてきました。実質 GDP は、米国では底堅く住宅投資は低金利の恩恵も見られました。一方欧州では成長ペースは伸び悩み、中国では減速となり、全般的には勢いを欠きました。国内では、台風やこれに伴う豪雨災害の影響、消費増税後の反動も見られましたが、軽減税率の導入や教育無償化等の消費増税対策による負担の緩和により消費の大幅な落ち込みは回避される見込みです。

本年の世界経済は、米中対立をめぐる貿易問題や英国の EU 離脱に伴う先行き不透明感から大幅な回復期待は望み薄とみられています。一方国内は、輸出の力強さは期待しにくい状況にありますが、企業収益の改善による設備投資の増加など内需がけん引する景気回復は続く見込みです。
昨年の住宅需要は、貸家の継続する着工減と消費増税の駆け込み等による持家と分譲戸建の限定的な増加、その後の反動の影響から全体では前年比で微減すると予想されます。本年は減少トレンドにあるものの、政府による駆け込み効果平準化策等により大幅な落ち込みは回避されると予測されます。

また昨年の国内の住宅資材は、国産針葉樹合板の需要用途の拡大が一層進みました。本年も輸入に関連する合板や建材などは、産地からの供給の安定化が望まれますが、国内の針葉樹構造用合板も用途分野ごとの需要に見合った供給が望まれます。

このような環境のなか、日合商は合板をはじめとする建材需給の安定化や合法木材等の利用と普及・拡大を主要な活動とし、取り組んでまいりました。特にクリーンウッド法の普及にともない、本年も、引き続き合法木材等の利用促進、木造建築物への補助政策の拡大等への陳情等により、政府施策と組合員の事業との関係性が深まるよう取組みを進めます。さらに「働き方改革」「ホワイト物流」に関連する人手不足や省力化投資等の問題は、深刻さを増しています。これにも日合商は積極的に対応を進め、組合員を中心とする勉強会・研修会等を各支部と共同で実施し、日合商の基盤強化を目指して参りたいと考えております。

日合商の会勢の強化に関しましては、合法木材等の供給事業者の認定取得等のための入会による増加、一方事業撤退等による退会の結果、組合員数は806社(9月末日)となっています。引き続き、組合員・準会員・賛助会員の皆様のご協力を仰ぎ、1,000社を越える組合を目指して邁進していく所存です。
本年も、会員相互の「協調と連帯」のもと、情報の早期収集と発信を通じ、組合員の皆様の事業の拡大・強化に貢献して参りたいと考えております。

会員の皆様と連帯し成果を手に入れる年とすることを祈念して、年頭のご挨拶とさせて頂きます。

2020年1月7日

理事長 足立健一郎