2017年 年頭所感

新年あけましておめでとうございます。
組合員の皆さま、賛助会員の皆さま、本年も宜しくお願い申し上げます。

昨年の世界・日本の経済情勢を顧みますと、欧州の難民問題や南シナ海をめぐる地政学的リスクの増大のなか、中国を始めとする新興国等の景気下振れ、英国のEU離脱、米国大統領選ではトランプ氏が勝利しました。国内ではアベノミクス取組の下、企業収益、雇用・所得環境は良好に推移しましたが、個人消費や設備投資など民需の力強さ不足が見られました。この結果本年は、世界経済先行きの不透明感、金融資本・商品市場の動向、地政学的な不確実性等に留意が必要とされます。国内は、雇用・所得環境の引き続きの改善、堅調な民需による景気回復が期待されます。また、熊本地震の早期復旧・復興、東日本大震災の復興や東京オリンピック・パラリンピックに伴う需要も見込まれてまいります。

国内の住宅需要は、昨年消費増税の延期により新設住宅着工戸数への影響も先延ばしとなりました。しかし、日銀のマイナス金利政策や国民の相続税対策が反映し、賃貸住宅や分譲住宅がけん引役となりました。また全体の伸びに対し地域・利用別による差が見られ、全国で暦年約5万戸増の96万戸前後の結果と考えられます。本年は、持家と分譲戸建てが微増ですが安定的な伸びが見込まれ、一方、貸家はピークを迎え、分譲マンションの価格高止まりの影響を受け減少、全体は前年比微減すると予測(建設経済研究所)されています。
また国内の住宅資材は、昨年国内合板が適正在庫で始まりましたが、春先の大手合板工場の火災は、針葉樹合板の需要家にとって痛手となる供給状況をもたらしました。本年は、輸入に関連する合板・建材では為替の円安への振れに注意が必要ですが、国内では合板工場火災からの復興と生産力増強による供給増加が見込まれます。

こういったなか日合商は、昨年、合法木材等の利用と取扱の拡大並びに普及を主要な活動の一つとし、各支部で研修会を進めてまいりました。特に昨年5月成立のクリーンウッド法は、組合員にとって合法木材等の活用の重要性がますます高まるため、本年5月施行に向けて準備が必要である旨、研修会を通じて説明してまいりました。本年についても引き続き各支部の活動の活性化、木造住宅への補助政策の拡大等への陳情、合法木材等の利用促進など、政府施策と組合員の業務との関係性が深まるよう取組みを進めます。また組合員を中心とする会員向け勉強会・研修会・親睦会を各支部と共同で活発に実施し、日合商の基盤強化を目指して参りたいと考えております。

本年も、日合商として情報の早期収集並びに発信を通じ、組合員の皆様の業容拡大に貢献して参りたいと考えております。また、会員相互で「協調と連帯」が表に現れるようコミュニケーションを実践し、発展を期して参りたいと思います。

会員の皆様と連帯し成果を手に入れる年とすることを祈念して、年頭のご挨拶とさせて頂きます。

2017年1月1日

理事長 足立健一郎